ゆりかご

何なの?何で雪乃が翔矢の隣に行くの…?

そこはあたしの…場所……。


「繭…。」

低いトーンで、あたしの名前を呼んだ翔矢に近づく。

「どーゆう…こと?ねぇ翔矢……?」

あたしの声は、今にも消え去りそうだった…。

「…ごめん。」


”ごめん”…?

”ごめん”って、なに?


「別れてほしい。」


「…。」

静かな揺れがあたしを包み、見上げた翔矢と目が合った。

「な…に……?」

あたしに、言ったの…?


「だから…。」

雪乃の隣にいる翔矢は少しだけあたしから目をそらすと、小さくため息をついたように見えた。


「繭、別れてーーー。」

「いやだよ…。」

翔矢の言葉を途中で遮って、今度はすぐに否定したあたし。


涙なんて、気にしてる余裕もなかった。