ゆりかご

「何わかりきったこと…。」

「じゃぁこの際だから教えてあげる。翔くん、繭子と別れたがってるよ。」

あたしの中の何かが、プツンと切れたーーー…。

雪乃の両肩をつかみ、目を見る。

「ちょっと何⁈」

「翔矢は…翔矢はぁ……ッ!」

右の手のひらを高くあげ、雪乃の頬に向かって勢いよくおろすーーー……。


ピシャリ!

「…う……うぅ…ッ。」

雪乃を引っ叩いたあたしの顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。

「翔矢は…あたしの……なのに…裏切り者‼︎」

「裏切り者?あたしが?やめてよ、翔くんがあたしを選んだんだよ?」

やめて…やめて……それ以上言わないで。

あたしの中の芯の部分がどんどん弱って……今にも吹き飛ばされそうだった。


「…雪乃?何やって……繭…。」

聞き覚えのある声に振り返ると、部屋着っぽいラフな格好の翔矢がいた。

「翔くん!」

雪乃はあたしからすり抜けて、翔矢に駆け寄った。