ゆりかご

「そんな…。そこまでは悪いよ。」

「悪いなんて思わないで?あたしだって、何かあったら繭子を頼るかもよ?」

「美羽…。ありがとう……。」

「それに、ゆうちゃんには、別の意味でもコータローの話題はし辛くない?」

「うん…。そだね……。」

翔矢と雪乃に裏切られたと思っているけど、あたし自身はゆうちゃんを裏切っている。

美羽は違うと言ってくれてるけど、あたしの中には、ゆうちゃんを裏切ってしまったという罪悪感があるのが現状。

陸上部の応援を断る流れで、コータローの話題が出るであろうことを、美羽は心配してくれているんだろう。

「ありがとう…。」

やっぱり美羽はあたしなんかよりも大人で、同い年だけどお姉ちゃんみたい。


「さぁ、そろそろいいかな?」

突然、カーテンの向こうの少し離れた方から声がして、あたし達がベッドを囲ってあるカーテンを開けると、会議を終えて戻ってきた保健の先生が、机に座っていた。