ゆりかご

「ありがとう…ごめんね。」

「気にしないで。ホームルームつまんないし、授業だって1限くらい問題ないよ。」

美羽が笑顔を向けてくれて、ホッとした。


「失礼します……って、保健室の先生いないみたいね。」

美羽が保健室の中をキョロキョロ見渡す。

「繭子……。」

「あ…ご、ごめんね…。あたし、さっき、ゆうちゃんに…。」

保健室に着いて美羽と2人きりーーー学校では気を張って泣かないようにしていた反動だろうか、どんどん涙が溢れてくる。

「ゆうちゃんに、コータロー…が…陸上部の大会に、出るから…応援に…さ、誘われたんだ…けど…。その大会に…あた…あたしの、彼氏…も……でるから…。行きたいんだけど……。」

「うん。」

「行きたいんだ…けど……。」

そこまで言って、言葉が出せなくなった…。

「うん…。」


黙って聞いてくれる、美羽。