だって、早く翔矢と話したい。

会えない時間が増えた分、声が聞きたくて仕方ない。

窓から見た外はもう暗くなっていて、街灯がぼんやりと光っていた。


プルルルル・・・

待ちうたの設定をしていない翔矢のケータイから聞こえる機械音が、やたら長く感じてしまう。

早く…早く……。

プルルルル・・・

プル・・・

「もしもし?」

「…!…あ、翔矢…。」

「おぅ。家着いた?」

「うん、今着いたとこ。」

「そっか。無事着いて良かった。今日遅かったじゃん。」

今のあたしって、空から星が降ってきて刺さりそうなくらい幸せ(笑)ーーーって、こんなマンガみたいな事、実際に起こりはしないんだけど。

「うん、今日ね、部活の見学してたんだ。翔矢は?部活どーした?」