あたしの家までは電車を乗り継いで、歩く時間もあわせると1時間半弱くらいかかる。

とてもじゃないけど部活なんて気にはなれない、帰宅ラッシュで電車内が混み始める前に帰りたい。

「……。」

満員電車も、翔矢と一緒なら苦じゃないのかなーーー今まさに満員電車に乗ろうとしているあたしは、そんな事を考えていた。

翔矢と雪乃と同じ高校だったら、あたしもまた陸上部のマネージャーやって、みんなでチャリ通して・・・。

あぁ……。

これから3年間、電車に揺られなければいけない運命を、あたしは嘆くことしかできなかった。

《今帰りだよ〜。もー電車やだー(。-_-。)翔矢は何してる?》

あたしは電車に揺られながら、翔矢にメールをした。

地下鉄でない事が、唯一の救い。

繋がる電波と、気分転換になる外の景色に、とりあえず感謝。