「待てぇ!」


警官が5人追いかけてくる。


「イヤだぁぁぁぁ!」


僕はありえないほどの速さで走れた、走れたがさすが警官、タックルをくらう。


「ぐわっ!」


僕はその場に倒れる。夢乃ちゃんは僕の腕から投げ出されたが、そんなに勢いはついていなかった。


「この!駄目だろうが!」


警官に、ガッチガチに固められる僕。


小夢ちゃんと林檎さんもこちらに来た。


「夢乃!大丈夫?さぁ帰りましょう」


林檎さんは夢乃ちゃんに近づいて言った。


僕はもうどうしようも無かった。


無かったから叫んだ。叫ぶしか無かった。


「夢乃ちゃぁぁぁぁぁぁぁーん!!!おはよーーーーーー!!!」


魂の叫びだった。届くとは思わなかった。それでも言わなきゃ駄目だった。


「ふざけるな!静かにするんだよ!」


口を警官に手で抑えられる。


「目覚めるわけないのよ。夢乃は……」


林檎さんがそう言うと同時だった。


「──ふぁあわ……」


「「「え!?」」」


僕と小夢ちゃんと林檎さんが同時に言った。


起きるはずは無いんだ!夢乃ちゃんは1日に一時間しか、起きていられないから!


なのに、なのに!夢乃ちゃんは凄く眠そうに目をこすって、起きている!