「まぁ、あれだ!俺と親父は何も聞かねぇよただ命の恩人にお礼をしたいだけだ」
男の人はニカッと笑い手招きをする。
「じゃあお言葉に甘えても?」
僕が聞くと、ご老人が
「あぁ!もちろんよ!」
と荷台を指さす。おぅ、荷台か……。車イスを乗せるの大変そうだなぁ。
僕は夢乃ちゃんを連れてきて、軽トラの荷台に乗せようとする。
「うわぁ!」
僕は思わず尻もちをついた。
「ん?どうかしたか?」
男の人は聞いてくる。
「あ、い、イノシシ…!」
僕は荷台に横たわるイノシシを指さして言った。
「あぁー。そのイノシシかぁ、この道をちょっと戻った所の坂で見つけたんだよ」
「も、もしかして、その坂ってありえないほど急な坂ですか…?」
「うん?ボウズよく分かったな」
ご老人がそう言ってくれる。
「は、はい…」
僕は宿敵との再開を果たして、車イスを荷台に乗せて僕も荷台に乗る。


