「はぁ…疲れたな」


腕時計を見る。夜の9時だよ。


もう辺りは真っ暗だ。


山道なので、街灯も無い。


「うぅ、なんやかんやでお腹も空いたなぁ」


僕はてくてくと歩き言ってみる。


「うぅ…!」


「ん……?」


何かのうめき声が聞こえた。


「うぅ……!」


「んん……?」


やっぱり何かが聞こえる。


またイノシシか?それだけは勘弁だ。


「だ…れ…かぁ…!」


人の声だ!どこからか聞こえる。


「ど、どこですか?」


僕はとりあえず聞く。


「こ、こっち……だぁ…!」


僕は声のする方を見回す。どこに誰がいるのか?気になって見回す。


声が聞こえてくるのは、崖からだ。


凄く、行きたくないけど…仕方ない。