「ふぅ……。ここどこだろ?」


しばらく歩いているとなんだかよく分からない周りが山だらけの所に来てしまった。


腕時計を見る。夜の7時半だ。


つまり、だいたい一時間半ぐらいでここまで来たことになるなぁ。


「あと、どれぐらいで着けるだろう…」


辺りは段々と暗くなり、人気もない。


夢乃ちゃんは相変わらず可愛い寝顔でぐっすり寝ている。


「ふわぁーあ」


僕もあくびをして再び歩き出す。


うーむ。結構暗くて怖いな…。


そんな事を思っていたら、


ガサガサと何か音が聞こえた。


「ん……?」


もう、嫌な予感しかないので少し早歩きで歩く。


ガサガサ、ガサガサ。音は段々と近づいてくる。


「あー、何も聞こえなーい!」


僕は叫んで走る。


ガサッ!山からイノシシが飛び出てきた。


「うわぁぁぁ!!!」


全速力、全速力で逃げる。


「ちくしょう!こっちに来たら、イノシシ鍋にして食ってやるぞぉ!」