「甘かった……!」
僕は街を抜ける時には絶対に通らなければならない橋を見て痛感した。
説明が遅くなったが、この街は埋め立てて作られている。だから周りを河で囲まれているのだ。
そして、その河を渡るための橋が東西南北にあるのだが…。
「うわぁ…。検問してるよ…」
そう。検問をしているのだ。
僕は考える。
この橋を渡れないという事は、この街を出れないということだ。
「んー、どうしよう……」
辺りを見回して言う。
僕の目に入ったのは少し浅くなっている河だった。
「しょうがないか」
僕は警官の目に入らないように河沿いを移動して、河原に降りる。
「うーむ。行けるかなぁ?」
僕は河の前に立って言う。
なせばなる!僕は心でそう思い、河に入った。