少し、歩くと路地を抜けてしまった。


「んー、どうしようなぁ」


僕が悩んでいると、近くに古着屋さんがあった。


僕はそこで帽子を僕と夢乃ちゃんの分の2つ買った。


それを深く被って、夢乃ちゃんにも被せて変装をする。


「よし、大丈夫…」


大通りを歩き始める。バレないとは思うがどうも不安だ。


結構、サイレンの音が聞こえる。


とてつもなく不安だ。けれど夢乃ちゃんの顔を見てみるとその安らかな寝顔で不安も消える。


僕は少し小走りで大通りを抜けた。


僕達の住んでいる街は結構な都会だが、海の方に来ればくるほど段々と田舎になる。


だから、街さえ抜けてしまえばなんとかなると思った。