「よし、夢乃ちゃん。ちょっとこっちに来てくれる?」


僕は駅の近くにあるコインロッカーに向かう。


「んー?何があるの?」


大量の食べ物を食べ終わった夢乃ちゃんが聞く。


「これこれ、よいしょっ……と」


僕はロッカーに入っていた折りたたみ式の車イスを、取り出す。


「これで、いつ寝ても大丈夫だよ」


「おぉー!凄いね高姫くん!準備バッチリだね!」


夢乃ちゃんにそう褒められるとかなり照れる。


「よしっ。行こうか」


「はーい」


夢乃ちゃんが車イスに座り、再び駅を目指す。


駅に着いたと、同時に


「ふわ…」


夢乃ちゃんが、眠った。


もう一時間たったのか。早いなぁ。


僕はとりあえず普通に切符を買おうと駅に入る。


すると、電話が鳴った。


「ん?はい…もしもし?」


「高姫ー、やったね」


小夢ちゃんだった。


「ん、な、何のこと?」


「あぁ、全然怒ってないから良いよ気にしなくても。私は気づいてたしね」


「えぇっ!?気づいてたの?」


僕は正直にショックを受けた。


「うん。顔に出過ぎ、企み顔だったよー」


えぇ、それはちょっと衝撃だ。