夢乃ちゃんは少し考えるような顔をして、
「出来るの?」
と、だけ聞いた。
僕はしっかりと夢乃ちゃんの目を見て、
「やってみせる!」
と、だけ言った。
「ん!高姫くんを信じるよ!」
夢乃ちゃんはそう言ってくれた。
そう決まったらもう急がなくてはならなかった。なにしろ一時間しか時間が無い。
けど、一時間では海には着けない。
とりあえず、夢乃ちゃんが起きている間に病院からでなくてはならない。
「よし、行こう。夢乃ちゃん」
僕は夢乃ちゃんの手を引いてドアから部屋を出る。
「こっちから、行こうか」
僕は病院の裏口から病院を出る。
「わぁー、久しぶりの外だー!」
夢乃ちゃんはまるで子供の様にはしゃぐ。
やっぱり、ずっと病室にいたんだな。