「ふぅ……。よしっ」
僕は夢乃ちゃんを見る。まだ寝ている。けれど時間的にはそろそろだ。
「うーん……。ふわぁぁ」
そんな事を思っていると夢乃ちゃんが起きてくれた。
「ふぁぁ、おはよー。高姫くん」
穏やかな笑顔で挨拶をする夢乃ちゃん。
「おはよう。夢乃ちゃん」
僕も笑顔で返す。
「夢乃ちゃん。突然なんだけどさ…海行きたくない?」
僕は本当にいきなり聞いた。
「うん!行きたいよー」
ニコッと笑ってそう言う夢乃ちゃん。
「でも……行けないんだよね」
寂しそうに言う夢乃ちゃん。
「それで…さ。僕が連れていっちゃ駄目かなぁ?」
「ん?どういうこと?」
夢乃ちゃんは、ぐいっと顔を近づけて聞いてくる。
「僕がここから夢乃ちゃんを連れ去る」
僕はこれだけだと完全に犯罪行為のセリフを言った。