僕も自販機の下を見てみるが、幅が狭くてよく見えない。


「いくら、落としたの?」


「500円…」


女の子はそう言う。


「んー、じゃあこれどうぞ」


僕は財布から500円玉を取り出して渡す。


「え?いいの?」


女の子は受け取ろうとしない。


「いいって、いいって」


僕は自販機で、お茶を買いながら言う。


そこで頭の中に友達の声が響いた。


「お前って、皆に優しいからいつか絶対何かで損するぞ」


そう言われた時に僕は一体なんと言い返したっけ?


そこで、女の子を再び見てみると両腕に4本の飲み物を抱えていた。


「手伝おうか?」


僕は言いながら既に飲み物を2本女の子から取っていた。