「まぁ、簡単に言えば信じられないくらいの過保護なんだよね」
小夢ちゃんはちょっと口を尖らせて言った。
「元々は、お姉ちゃんって私と違って凄く活発な人なんだよね。でも、お母さんとしてはそんな直ぐ寝てしまうお姉ちゃんが…」
「心配?」
「そう。まぁ分かるんだけど…さ。それでお姉ちゃんの為にって事で身体が弱いって言ってるの」
小夢ちゃんは僕にそう話してくれた。
「私としては、お姉ちゃんは病室だけじゃなくて色々な所に行って欲しいんだけどね」
「ふーん。海とか?」
僕はさっきのテレビを見ていた夢乃ちゃんを思い出して言った。
「あぁー!海はいいと思うよ!お姉ちゃんは行ったこと覚えてないみたいだしね」
小夢ちゃんは嬉しそうに言った。
「駄目かなぁ、夢乃ちゃん。出かけたら」
「お医者さんが良いって言ってもお母さんが絶対に駄目って言うよ」
小夢ちゃんは諦めた口調で言った。
「じゃあ、逆にお母さんさえ良いと言えば夢乃ちゃんは出かけても?」
「良いだろうね……出来れば」
小夢ちゃんはまぁ無理無理みたいな感じだ。
やってみなくちゃ分かんないのにね。