「ひぃ、ひぃ。あぁ、面白いね。それじゃ夢乃ちゃんまたねおやすみー」
もう半分笑いながら、看護師さんはワゴンを引いて帰っていった。
「ねぇねぇ、2人ともーなんであんなに看護師さんは笑ってるのー?」
夢乃ちゃんが、澄んだ目で聞いた。
「う……、えっと、思い出し笑いだよ…」
僕がなんとか言い訳を考えて言ったと同時に、
「ふぁぁ……」
夢乃ちゃんはまた眠りについた。
「ふふふふふ、あーぁ。お姉ちゃんはすっごく鈍いからねー。頑張れよ高姫」
めっちゃ笑いながらそんなことを言う。
「えぇー?いつから?いつから知ってたの?そのー夢乃ちゃんを…あの」
「ん?お姉ちゃんを好きってこと?」
僕がなかなか言えないことをズバッと言ってしまう小夢ちゃん。かっこいいね。
「そんなもん、初めてお姉ちゃんと高姫が出会ったときだね!」
ビシッと指をさして、言う小夢ちゃん。
「えぇ!?そんな時から?」
「うん、高姫って物凄く分かりやすいもん」
小夢ちゃんはそう言った。
おい、葉。11年の付き合いは数週間の付き合いに負けたぞ。心のなかで思いながら、
「えっと、まぁうん。それで…」
と、無理やり話を変えた。


