「お姉ちゃん、テレビ見る?」


小夢ちゃんがリモコンを夢乃ちゃんに渡して聞いた。


「うん。見る見るー」


夢乃ちゃんはリモコンを使い、ベッドの向かいに設置されているテレビの電源をいれた。


「さぁ!こちらでは潮干狩りを楽しむ親子連れで賑わっておりまーす!」


テレビの中からそんな音声が聞こえた。


「へぇー海かぁ」


夢乃ちゃんがなんだろう?寂しそうに言った。


「お姉ちゃん、海に行った時の事覚えてる?



小夢ちゃんが夢乃ちゃんに気づいたように声をかける。


「ううん。全然覚えてないよー。だってまだ小学生の時だったでしょ?」


「うん。そうだったよ。その後は、色々あって結局なんやかんやで行けなかったもんね」


「あぁ、だったねぇ。行きたいなぁ…海」


夢乃ちゃんがテレビに映る海を眺めて思いを馳せながら言った。


ガラガラ、そんな時にドアが開いてワゴンが運ばれてきた。


「はい、夢乃ちゃん。おはよう」