「おい、高姫ー?どうしたんだよ変な顔してさ」
そんな失礼な事を言ってくるのは小学校からの親友である鍵原 葉(カギハラヨウ)だった。
僕は今、自分の通う高校の教室で葉と喋っていた。
「ん?いいや別に変な顔なんてしてないよ」
僕は自分の顔を触りながらそう言う。
「おいおい、俺とお前が何年の付き合いだと思ってるんだよー」
「はいはい、小学校1年から高校2年の今まで数えて11年だよ」
これは僕と葉の鉄板のやり取りだ。これが毎年、段々と年が増えていきなんだか感慨深くなる。
「ふふふ、また言ってるね」
僕と葉の隣をクラスの女子が茶化して歩いて行った。
ちなみに今は昼休みだ。
「いいじゃんかよー」
葉は軽く返事をして、僕に視線を戻す。
「んで……よ」
「ん…?」
僕は昼食を食べ終わり野菜ジュースを飲みながら聞いた。
「恋…!してんだろ?」
「ぶふぉっわぁっ!」
僕は思いっきり野菜ジュースを吹き出す。
「なななな、何を言ってるんだよ?」
「お前、動揺しすぎだぞ」
葉は笑いながら言った。