「守野さーん、守野 高姫(モリノコウキ)さーん」


看護師さんが待合室で待つ僕の名前を呼んだ。


「はい」


僕は返事をして診察室へと入る。


「はい、そこに座ってね」


男の医者がそう言う。


僕は座り、自分のマスクの位置を直す。


「今日はどうしたのかな?」


医者がそう聞くので、


「えっと、風邪をひいちゃったみたいで…」


僕はそう答えた。


全く、5月のこんないい天候で風邪を引くなんて……ついてないな。


その後、色々と診察をして、


「うん、大したことはないね。じゃあお薬出しとくからね」


と、医者に言われて診察室を出る。


「ありがとうございました…」


僕はペコリと頭を下げてそう言った。