机の上に遺されていた遺書には、信じ難い事が記されていた。


娘がクラスメートの女子全員による、陰湿ないじめを受けていた事

いじめに打ち勝った体験を綴ったエッセイ「私の勝ち」をはじめとした幽霊の著作が、何よりの心の支えになっていた事。


そして……



――学校での事は、ママにだけは絶対に知られてはいけないと思っていました。


どうもママは私に「友達が多く、みんなと仲良く出来る子」みたいな子供像を期待しているらしく、もし私の本当の姿を知られたら、見放されてしまうような気がしていたからです。


だから家では必死で、明るくて友達が多そうな子供を演じていました。



ママにとって友達付き合いは、出来て当たり前な事なのでしょう。


ママからは

「いじめというのは、友達付き合いもまともに出来ない、いじめられる方に原因がある。

いじめられる子なんか普通じゃない」

と言われ、私の心の支えになっていた本の事は「負け犬の遠吠え」呼ばわりされました。


私はとても傷付きました。――