リビングのソファで、コーヒーを片手に久々の休日を過ごしている夫が、不意にこちらを向いて言った。
「せっかくの休みなんだし、どこか出掛けない?」
「えっ」
夫の屈託のない笑顔を見つめたまま、私はその場に固まってしまった。
嬉しかったのだ。
微妙な距離を置き続ける気まずい生活に、少し疲れていたところであった。
夫も同じ気持ちだったのだろうか。
私は夫のそばへ歩み寄った。
「この前はごめんね」
素直に謝ると、つかえが下りたように胸が軽くなった。
もっと早く、こうすれば良かった。
変に意地を張っていた自分がおかしくて、つい笑いが込み上げた。
「俺も悪かったよ」
そう言って、夫が手を差し伸べる。
その手に、ぞっとするほど生気の無い手が重なる。
――え?
「せっかくの休みなんだし、どこか出掛けない?」
「えっ」
夫の屈託のない笑顔を見つめたまま、私はその場に固まってしまった。
嬉しかったのだ。
微妙な距離を置き続ける気まずい生活に、少し疲れていたところであった。
夫も同じ気持ちだったのだろうか。
私は夫のそばへ歩み寄った。
「この前はごめんね」
素直に謝ると、つかえが下りたように胸が軽くなった。
もっと早く、こうすれば良かった。
変に意地を張っていた自分がおかしくて、つい笑いが込み上げた。
「俺も悪かったよ」
そう言って、夫が手を差し伸べる。
その手に、ぞっとするほど生気の無い手が重なる。
――え?