「今日は冬羽と約束してたからごめん
また今度にして」
「そんな…」
秋くんのその言葉に梨花さんは悲しそうにする
秋くんは振った人とは話さないんだよね?
実際に告白して振られた人は全然話してないし…
でも、元カノさんは違うのかな?
話してるし微笑むし…
何だかもやもやするよ…
「お願いっ!!
ちょっとだけでいいの!!」
梨花さんは諦めようとせずに
そう言って秋くんにお願いする
すると、秋くんは怒ったように顔をしかめた
「俺じゃなくて違うやつと付き合うって別れたのはそっちだろ
今更俺は何も話なんてないんだけど」
「そ、そうだけど…
それに関して話があるの!」
他の人が好きになっちゃったんだ…
こんなに素敵な秋くんがいるのに…
私には付き合えていた
と言うだけでも羨ましいのに…
「と、とにかく!!
着いてきて!!」
梨花さんは振り切ったようにそう言って
秋くんの手を引いて半分引きずるように連れていく
秋くんはもう抵抗しようという感じではない
やだよ…
やだよ秋くん!!!
「い、行かないでっ…」
私は行って欲しくなくて
連れていかないでほしくて秋くんの手をつかんで止めた
それに怒ったのか、梨花さんからキッと
すごい顔で睨まれたけど…
「なに!?」
「つ、連れていかないでください…
私が先に約束してたので…」
「……秋の何でもないなら何も言わないでよ」
秋くんのなんでもない
そうだよ
私はただのクラスメイト
苗字が同じ
春夏秋冬で名前の共通点が同じ
ただそれだけの間柄
でも、でも私は────



