「おい、俺とちゃんと目を合わせやがれ」
春翔くんは由くんを見ながら急にそんなことを言った
言われた由くんは戸惑いながらも、ちゃんとまっすぐ春翔くんの目を見ると
春翔くんは少しだけ微笑んだ
………ように見えなくもない…かも…?
「今俺はお前が嫌いって言ったよな?」
「ああ」
「でもそれは今だ
こうしてちゃんと殴った俺の目を見れるなら…」
春翔くんは言葉をそこで区切ると
由くんの肩に手を置き、にかっと笑顔になった
「お前も捨てたもんじゃねーな!
肝座ってんじゃねーか!」
急にフレンドリーな雰囲気に変えた春翔くんの変わりっぷりに
由くんも私も夏那ちゃんも戸惑う
すると、秋くんは呆れたような顔で私たちに笑いかけてくる
「春翔は悪いやつじゃないからね
基本謝れば許すやつだよ
………それなりに殴ってからだけど」
「あはは…
殴ったもんね…」
秋くんの説明に納得
確かに春翔くんはいい人だ
ただいい人なのが、自信家な性格と
口の悪さ、行動の悪さで隠されてる感じ
もったいないことしてるよ
「よかったなー
お前らがギスギスしてるとクラスの雰囲気も悪くなんだから喧嘩すんなよー」
そんな間延びした声の黒田くんの忠告で
私達は申し訳ない気持ちになった
と、なんとも言えない穏やかな空気になっていると
またしても
バンっ!!
という激しい音とともに
教室のドアが開いた



