*°春夏タチバナ*°





息を切らせながら、由くんとすれ違いながら
急いで教室に入ると



そこには大好きな大好きな秋くんの姿があった





茜色に染まる教室にただ1人
佇んでいる姿が絵になる











「秋、くん」





「冬羽」











秋くんは私の名前を呼ぶと
すぐに近づいてきて────






チュッ






と、優しいキスをした











「えっ…秋くん…?」











好きな人にしかしないって決めたキスだよね



1年の美人さん、田中琴子ちゃんがいるというのに…











「俺は冬羽が好きだよ
これまでも、多分この先も」





「っ…」





「だから、少しだけ聞いて
俺のいいわけをさ?」





「う、うん…」











私を好きだと言ってくれた




秋くんの言葉を聞き逃さないよう
じっと聞く体制をとる




秋くんは窓の外のグラウンドのステージに居る
1位の美人さん、田中琴子ちゃんをチラッと1回みて




それから私を見た











「あの画像、きっと由から見せられた?」





「え、えっと…」





「だろうと思った
まぁいいや、でもあの画像は本当なんだ
田中ちゃんとキスした」











わかってはいたことだけど


本人から聞くと、頭を何かで殴られたみたいな衝撃が走る