*°春夏タチバナ*°





2人の喧嘩を見て
クラスの人がチラホラ先生に言ったがいいんじゃない?


と、言い出してきた






そんな…先生なんて呼んだら

きっともっと2人の喧嘩はひどくなる







どうやって止めよう…






私がそう考えた瞬間────











「もうやめて!」











泣きながら叫んで2人の間に割って入ったのは夏那ちゃん






夏那ちゃんは春翔くんに抱きついて
ごめんと呟く











「もう、やめてよ
仲いいふたりがいいよ」











夏那ちゃんのその言葉と勇気に



秋くんも春翔くんと立ち止まる






私にもなにかできるかな?







そう考えて3人のところに行こうと踏み出すと




背中に冷たいものがビチャッとかかったのがわかった…







ものすごーーーーーく嫌な予感











「ご、ごめん橘さん!!
わざとじゃないんだ!!」











振り返ると、そこには今にも泣き出しそうな
クラスで一番気の弱い男の子だった






その子の手にはペンキの缶が






そして私の制服とか足には赤いペンキが滴り落ちてきている









もう最悪





本当に嫌だ





なんでこんなに悪いことばっかなの?







私は男子には大丈夫と言ったけど



怒りがフツフツと湧き出てきた







どいつもこいつも…


人の気も知らないで自分勝手ばっか







私がイライラで、心配してくれている京香ちゃんの声も聞こえなくなった時────







ガシャンっと、春翔くんが夏那ちゃんを突き飛ばして





夏那ちゃんが作ったものの上に倒れ込んだ音がした