「ちょ、ちょっと…ね」





「ちょっとって雰囲気じゃないですけどね」











私の言葉に苦笑いでそう返してきた冬貴くん



私と冬貴くんで顔を見合わせていると
急に夏那ちゃんがその場にへたりこんだ











「どうしよう…私のせいだ…
私が由を捨てたりなんかしたからっ…」











夏那ちゃんはそう言いながら今にも泣きそうな顔をする




夏那ちゃんのせいなんかじゃないよ…


そう言いたいけど、今何を言っても嘘くさく感じそうで何も言えない…






そんな私を見かねて、冬貴くんが話に入ってくる











「何があったんですか??
よかったら話してみてくださいよ」





「でも…冬羽の後輩にまで迷惑かけられない…」






「迷惑じゃないですよ!
人に言ったら少しは楽になるでしょうし…ね?」











冬貴くんの言葉を聞いた夏那ちゃんは
弱々しくコクンと頷いた





すごいなぁ冬貴くん…
一つ下なのにこんなにしっかりしてて…






それに比べて私は…なんと情けない











「冬羽の後輩くんは知らないよね…
私、滝春翔と付き合ってるの」






「あ、立野冬貴って言います
春翔先輩と付き合ってるってのは有名だから知ってますよ」






「冬貴くん、ね
あ、そうだったんだ…
それで元カレの由が昨日転校してきて…」











それから昨日あったこと全て聞いた




由くんが変わってしまったこと
イジメで転校してきたこと
そういうのも全部夏那ちゃんのせいだと言われたこと



抱きしめたのも仕方がなかったこと





そして…キスされたけど拒めなかったこと