「ようこそ、死後の世界へ。」




男のその言葉でさっきの推測が正しかったんだとわかった。




「えらく物分かりのいい奴なんだな。」




「…どうも、ありがとうございます?」





物分かりがいいわけではないはずだが、死後の世界と言われればそうなのかと思ってしまう。




ここには、何もないから。





「俺様の名前はアルマだ。」




ニカッと笑うアルマ。




チラッと見える八重歯が悪戯っ子のような印象を受けさせた。




「…えっと、奥村早妃です。」

一応私も自己紹介しておいた。


「しってるよ。」



「え??」