蝉の鳴き声が鬱陶しさを増す。 夏ももう終わり。 蝉達は最期の瞬間まで生き抜こうとしていた。 「…あっ、死んだ。」 部屋の窓から見える電柱に止まっていた蝉が ぽとり と、息絶えた。 「いいなぁ、あっけなく散れて…」 私だって、こんなとこから抜け出したいのに。 私はそう思いながら目を閉じた。