『優子ちゃんて言うんだ』

車は走り出しました。

「どこまで行くんですか?」

時間は深夜でもう2時でした。

『うん、この人の部屋で話そ』

その時、

「この子は?」

連れの男性が聞くと、その女性はこう答えました。

『可愛いから連れて来ちゃった。』

(マスターかな?
お客さん?)

『こんばんは。』

「こんばんは」

(濃い人……
大丈夫かな?
怖くなって来ちゃった。
町の中で話すと思ったのに。)

引き抜きはよくある話でした。