イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)


えっ!?嘘……居ない!?

「あれ?睦月君……何処に行ったの!?」

慌てて捜した。

何処に行っちゃったのかしら?

「あの……息子さんなら厨房の方で
見かけましたよ?」

厨房!?

慌てて厨房の方に入らしてもらうと
睦月君は、夢中でコックが作っているのを
眺めていた。

すると味見をさせてもらっているし……。

「睦月君。あの…すみません。
ご迷惑をおかけしまして……」

必死に頭を下げて謝罪する。

「アハハッ……いやいや。
気にしないで下さい。
料理に興味があるみたいですね。息子さん」

料理長だろうか?
笑いながら許して下さった。

息子ではないと言いたいが
何だか言いにくい。

すると味見をしていた睦月君が

「これ……ハチミツの味がする。隠し味?」

そう呟いた。

ハチミツ……?

「おや、坊主。ハチミツの味が分かるのか!?
そうだ。それには、ハチミツを隠し味に使っている。
ほんの1滴しか入れていないのに
よく分かったな!?」

とても驚かれた。

えぇっ…そうなの!?

凄い……睦月君。隠し味を言い当てるなんて

「奥さん。もしかしたらこの子。
料理人になる才能があるかも知れないぞ?
味覚がしっかりしてるなら
伸ばせば強い武器になる」

そう料理長らしき人に言われる。