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「優くん、今いい?」


「あ、遼くん。いいよ!」


俺やゆーちゃんとはちょっと違う、愛らしい笑顔でこちらに振り向く。
優くんとは元々、モデルで一緒だったとはいえタイプが違うかったし……特にライバルというわけではなかった。

逆に、同じ事務所だったこともあって、少ないモデル仲間だった。
そこに、波瑠もいて。
同じ仕事は多い方だったが、無論個人での仕事も多く……ずっと一緒にいるわけでもなかった。
けど、それでも、仲間は仲間で。
3人で仕事をするのは、とっても楽しかったのを今でも覚えている。

だからなのか、波瑠は……俺と、優くんのものだと思うようになって。
……いや、優くんに独り占めされたくなったんだと思う。

そんなときに、波瑠と優くんの二人の仕事があって。
本音を言うと、すっごく嫉妬してた。

だけど、その仕事があった次の日、事務所の集まりには波瑠はいなくて。
疑問に思って、社長に聞いたら……波瑠は意識不明の重体だって言われて。
……そんなこと知るはずもなかったけど、知らなかった当時の俺は、とにかく自分を責めて。

それで挙げ句体調を崩して。
病気が再発して。
手術しなきゃいけなくなって。
モデルを辞めなきゃならなかった。

……波瑠が重体だって聞かされてから、波瑠には一度も会えずにモデルを辞めてしまった。