「……別に、優しい言葉をかけて欲しい訳じゃありませんよ」
メガネを指で上げながら、矢崎先生が言う。
「貴方の本当の気持ちを聞きたいんです」
「本当の気持ち、って……」
蓮央は少し戸惑ったように考えた後、矢崎先生に顔を向けた。
「俺は…今までもこれからも、咲誇しか見えないんで」
「!!」
カァァッと、自分の体温が上昇するのがわかる。
なんか、改めて言われるとすごく照れるんですけど……!!
「…分かってます。そういうところも貴方の魅力の一つですから。……では、私はこれで」
フフッと寂しげに笑った矢崎先生。
カルテを持ち直して、病室から颯爽と出て行ってしまった。


