向けられた銃口。

止まる時間。



……蓮央が、殺される。



それだけは、ダメ……!




「蓮央っ…!!」


──バァンッ!!!




無我夢中で蓮央を突き飛ばしたと同時に、さっきまで彼がいた場所に穴があいた。


コイツ、足を狙ったんだ……



「チッ…運が良かったか」



舌打ちした組長がまた銃弾をセットする。


蓮央はいきなり突き飛ばされ、ぽかんとしている。


こんな状況で、もう一度避けられる訳がない。



「今度こそ当てる。……動けない程度に、と思っていたが、殺ったほうが良さそうだ」



そう言って向けられた銃口の延長線上にいるのは、蓮央……ではなく。




「……そこの女をな」




──私だった。