「あの金髪の男といい、啓明といい……。何故そこまでして私に刃向かう」



呆れたように言われた組長の言葉に……私は、少し引っかかった。



「金髪の、男……?」



それって、まさか……!?



「プラチナブロンドのオールバックの男だ。組を裏切った裏切り者らしいが。……何だ、知り合いなのか?」



プラチナブロンドのオールバック。


もう、それだけで誰か分かる。



「海利……」



私を抱きしめている蓮央が、ポツリと呟いた。


北苑海利。

私たちをここへ連れてきてくれた、張本人。


海利の身を案じた蓮央が、組長を睨みつける。



「……テメェ、海利に何しやがった」


「海利とはその男か?……さぁ、どうだろうな。多分死んではいないと思うが」


「っ…ざけんな!!アイツを返せ!!」


「……心配しなくとも」



ニヤリと笑った組長は、蓮央に銃口を向けた。



「すぐに連れていってやる」