沢口啓明の視線が、自分の肩へ移動する。
私も…そこを、見てしまった。
ちょうど脇の少し上辺りに空いた、1センチ弱くらいの大きさの穴。
そこから、黒い血が流れ出ている。
「っ…、うあ゙あ゙ぁぁっっっ!!!??」
耳をつんざくような悲鳴が響き渡り、沢口啓明が肩を押さえて倒れ込む。
……え?何?どういうこと?
何が起こったのか理解できない。
理解したくない。
でも、目の前でもがき苦しんでいる沢口啓明を見ると、理解せざるを得なくて。
徐々に……いろんな感情が湧いてきた。
恐怖。
疑問。
怒り。
「何で…」
震える唇で何とか言葉を紡ぎながら、伏せていた目を上げた。
「何で……撃ったのよ…」
「愚問だな。煩いからだ」
銃を構えながら、平然と言う組長。
その銃からは、細く煙が出ている。
それは、この男が沢口啓明を撃ったという証拠。
「煩いから…?たったそれだけの理由で、人を撃つの?」
「撃つのに理由なんていらないだろう。
私の意志で使わせてもらう」
「何、それ…っ……」
意味が分からない。
理解できない。
この男の言っている言葉が、ワカラナイ。


