「だからいい加減…」
「いい加減にするのは、お前だろう?」
突如、室内にドスの効いた声が響いた。
低くて重みのある、腹に響くような声。
その声にハッとした沢口啓明が、部屋のドアのほうを向く。
「お、親父……?」
「さっきからバタバタと。騒がしくて眠れやしない」
「すいません…もうすぐ終わるんで」
と、沢口啓明が言いかけた時。
──ズドンッ……!!!
空気が、震えた。
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
鼻につく火薬の匂い。
組長の冷めた瞳。
蓮央たちも、蹲ったままぽかんとしている。
あたしを拘束していた腕の力が、だんだんと抜けていく。
後ろを見ると…沢口啓明が、目を見開いて突っ立っていた。


