笑みを浮かべている変態男のところまで歩き、グッと睨みつける。



「そんなに睨むなよ。可愛い顔が台無しだぞ?」


「そうやって笑っていられるのも今のうちだから」


「それはどうかな~?」



変態男は余裕綽々といった様子で組んでいた腕を解き、ボキボキと指を鳴らした。


コイツが弱くないってことは、なんとなく分かってる。


闇探偵をしてるくらいなんだから、それ相応の護身術は身につけているはずだし。


もしかしたら、見たこともない型で攻めてくるかもしれない。


でも…私は、負けられない。


負けられない、戦いなんだ。


勝つ以外の選択肢は、存在しないから。