「お前ら、何帰ろうとしてんの?」



腕を広げてわたし達の行く手を遮ってくるのは、変態男。


どこまでも邪魔くさい奴……。



「用が済んだから帰るだけ。邪魔したな」


「ちょっと待った。そっちが済んでも、こっちは済んでねぇんだよ」



よけようとしても、変態男はすかさず前に出てくる。


その態度にイラついたのか、蓮央がチッと舌打ちをした。


それに構わず、変態男は続ける。



「あのさ、分かってる?お前らここに不法侵入したんだぞ?……それなりの詫びはしてもらわねぇと。な、啓明?」


「当たり前ですよ、聖夜さん」



それまで静かだった沢口啓明が変態男の隣に立ち、パチンと指を鳴らす。



その途端、蹴破られたドアからたくさんのヤクザたちが入り込んできた。


その数、ざっと数えて20人。


全員が鉄パイプやナイフなどを持っている。



これ……やばくない?