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「……ということで、今日からここでお世話になります!九條奈緒です!!」



ここは、【睡嵐】の倉庫。


目の前には、にこやかに立っている茶髪ボブの美少女。


その隣に、背の高い銀髪の彼。


周りでは皆が唖然としている。



...何でこうなったんだっけ?



「おい先輩、どういうことだよ」



歩が諒真さんに詰め寄る。


ちょこんと立っている奈緒の肩を抱いて、彼は堂々と言った。



「奈緒は本当に反省してる。今日だって、さっきーに謝りたいって来たんだからな」


「そんなの信じられるかよ」



歩が訝しげに奈緒を睨みつけると、奈緒は真っ直ぐに私を見据えた。



「咲誇さん」



諒真さんの腕からするりと抜け、私の前に立つ。



「あたし……言い訳するつもりは、ありません。どんな理由があろうと、咲誇さんにしたことが最低なことっていうのは分かってますから」



私を見るその目には、迷いとか、後ろめたさとか、そんなもの微塵も感じられなくて。


ただ、私と向き合おうとしていることだけが伝わってきた。