・・・何もないんだけど。 壁しかない。 待って、これすごく恥ずかしい。 何私、壁の前で立ち止まってるの!? 監視カメラに映ってたらどうすんの!? 一生もんの恥だよ!? 「……圭太?」 『あ、悪い咲誇。間違えた』 「…………」 『ごめんって!大丈夫だ、ビル内の監視カメラは全部切ってあるから』 あ、そうなんだ。 ならいっか。 ……って、そうじゃない! 「気をつけてよ、圭太。私危うく変人になるところだったじゃん」 『はは、悪いな!』 ちっとも悪びれていないその態度に、大きなため息が出た。