そして手を洗い、コケないようにして出来るだけ早足で歩く。
マイクの向こうではまだ
『貸せって先輩!』
『俺がやるんだ!!これは渡さん!!』
『じゃあ早く地図出せ!この機械音痴!』
…といった会話が繰り広げられている。
歩も大変だなぁ……。
他人事のように心の中で呟き、指示を待ってのんびり歩く。
これじゃあ不審に思われちゃうって、早くしてよっ!
そう念じていると、耳元で別の人の声がした。
『……悪い、待たせたな咲誇』
あれ、この声は……圭太?
あの2人はどこ行った?
『アイツら喧嘩し始めたから、俺が引き受けた。……うん、そのまま真っ直ぐ。で、俺が合図したら止まって』
圭太の声に従い、歩く。
鍵が入っているポーチを抱え直した。
『ストップ。向かって右側』
声と同時に、足を止める。
右を向くと、あら不思議。


