しばらくして、誰かの話し声が聞こえてきた。
『…うるせぇよ先輩!黙ってみてろ!』
この声は……歩?
『俺にも触らせろよ!……ん?なんかついてるぞ』
これは諒真さんだ。
『は?……おい、咲誇?』
「は、はい!」
歩の声が再び聞こえ、ブローチに向かって答えた。
『どうだ、順調か『さっきぃぃぃぃ!』』
歩の低音ボイスから急に諒真さんの声になって、思わずピアスを外した。
うるさすぎる。
『さっきー、無事か『黙っててください先輩』』
ピシャリと言われた諒真さんは落ち込んだらしく、それ以降邪魔するような気配はなかった。
『……で、現在の状況は?』
「今は、20階の女子トイレにいる。これからこの階を回るから、指示お願い」
『了解。…先輩、うなだれてないで地図を出してください。……いや、そうじゃなくて。……あぁもういい、俺がやります』
何だか歩も忙しそうだったので、彼らが準備をしているうちに個室から出た。


