あれ…?


そういえば。



「ねぇ、北苑」



ふと疑問に思ったことを、北苑に尋ねる。


何だよ、と無愛想に返事をした北苑は、目だけを私に向けた。



「もしも、私が睡嵐だってバレたら…どうなるの?」


「その可能性はないから考えなくていい」


「でも、0じゃないでしょ?」


「0だ」



何で、そんな風に言い切れるんだろう。



「仮に、お前のヘマでバレたとしても……絶対に、お前が傷つくことはないから」



『絶対に』を強調する北苑。


相当、自信があるんだろうな。


ウラの仕事、慣れてるんだ。



後ろに流れていく街のネオンをぼんやりと眺めながら、私はブローチを握り締めた。




必ず、成功させてみせる。



みんなのために……諒真さんの、ために。