場所を確認した諒真さんに歩がバイクのキーを投げる。
それを見事キャッチした諒真さんは、目尻を下げて微笑みながら私たちを見た。
「歩も、さっきーも……ありがとな」
何言ってるんだか。
「諒真さんの恋のためだもん」
笑いながらそう言うと、目を伏せた諒真さんは踵を返す。
「先輩」
歩が、パソコンを操作しながら諒真さんを呼び止める。
振り返った彼に、歩は言った。
「……死んだら、殺すぞ」
その言葉に、私の心はぎゅうっと締め付けられた。
歩は、諒真さんを心から慕ってる。
そんな彼を危険地帯に送り込んで、心配しないはずがないよね…。
でも諒真さんはフッと笑って、背を向けたまま片手を挙げた。
「……おぅ」
その言葉を残し、彼は走って出て行った。


