……しかし、そんな中。



「若沢組?なんだそれ」


「幼稚園に、そんな名前の組あったっけ?」



場違いな明るい声を出すのは、阿吽の2人。


お酒が回って、冗談まで言い始めてるし。


こんな雰囲気でそんな冗談言わないでよ……


空気が読めない2人に、その場の全員がため息をついた。



「……んなしらけんじゃねぇよ、俺らがまるでバカみてぇじゃん」


「そうよー。シャレに決まってるでしょ?」



2人はバツが悪そうに、姿勢を正して私たちの方に向き直る。



「若沢組ってのは、そこの銀髪の親が仕切ってるヤクザだろ?ここらへんに本部があるって聞いた」


「んで、アンタらはそれを潰そうと必死こいてるってわけよね」



すらすらと、声を合わせて言う2人。


よく調べてるなぁ……。