「……ここでお前が俺を選ばなくても、恨んだりはしない」
蓮央は、綺麗な唇を上下に動かして言った。
「でも」
スッと、紺色の瞳が私の方に向けられる。
「お前が俺を嫌っても、俺はお前を愛してる。俺なんかのために泣いてくれたお前を……今度こそ、守りたいと思うから」
「っ……」
その真剣な、真っ直ぐすぎる瞳に吸い込まれそうになる。
何で、そんなこと言うの。
ここで『嫌いだ』って言ってくれるなら、私は迷わず彼を選んだのに。
きっと彼は、私を愛してくれると思う。
辛いことなんて無いと思う。
蓮央のことを忘れて、私も、辛くなくなると思う。
でも……
「蓮央……」
私は、自ら茨の道を選んでしまった。
どんなに辛く苦しくても、その先にある幸せをつかみたいと思ってしまうから。


