咲誇に別れを告げてから、はや数週間。


もうそんなに経つのか。


日数感覚なんて、とっくに無くなってしまった。



「そんなに引きずるくらいなら、ヨリを戻してこい」


「それが出来たら苦労しねぇんだよ……」



グシャッとビールの缶を握りつぶすと、泡が少しはねた。



「アイツは、俺のせいで泣いてばかりだ。もう…涙は、見たくない」


「お前の言い分は分かったけどよ……。別れたことでさらに泣いてたらどうすんだ?」


「そんときは、京也が慰めてくれるだろ」


「他人任せかよ。ほんと……落ちぶれたな」



呆れたような圭太の声に、目だけを上げる。



「どういう意味だ」


「そのまんまだよ。蓮央、お前さ、咲誇を泣かせたくねぇとか言ってるけど、実は自信がないだけなんだろ?」


「は……?」



思わず、圭太を睨みつけた。