「悪ぃ歩。調べて欲しいことがある」
「それが人に物を頼む態度なのかよ!!」
歩の言いたいことはよくわかります。
「悪ぃけど急いでんだよ!!頼む!!」
「っくそ……」
諒真さんの剣幕に負けたのか、歩はスマホを取り出して何やら操作し始めた。
「で、何について調べんだ」
立っている諒真さんは、迷うことなく答えた。
「九條奈緒の家だ」
ドクンッと、心臓が鳴る。
九條奈緒…。
思い出したくもない、名前。
そういえば蓮央が昨日言っていた。
諒真さんと奈緒は一緒に暮らしてるって。
奈緒にも抱えてるものがあるって。
ぼんやり考えていると、歩が私に目を向けた。


